無題

指の皮膚のやわらかいところを噛みちぎる。鉄棒で出来た手のひらの豆が潰れたとき、1番に誰のところへ行ったんだっけ。鉄はいちばん赤に近いはずだから。土下座って全部濁音だね。感嘆符の数だけ存在する愛、を反語的に伝える、ことが確かに許されている世界で、2頭身のキャラクターがアドバイスをくれるのをずっと待っている。

輝いている。予想以上の絶望だった。代償としてだめになれるならそれでもいいかもしれないね。

「嘘なんかつけなくなってしまえばいい」

「きみの膝、あの人の顔みたいね」

「毎日知らない人から手紙が届くの」

 

目の見えない少女は手さぐりで歌う。

目の見えない少女は手さぐりで歌う。

目の見えない少女は手さぐりで歌う。